人吉市上青井町
本殿 / 廊 / 幣殿 / 拝殿 / 楼門
国宝(建造物)
「青井阿蘇神社」は、人吉の市街地にあり、建物群は、南側を正面に、南から北へ一直線上に続いています。神社の歴史は、806年に「阿蘇神社」の阿蘇三神の分霊をこの地の神様として崇めたことから始まります。この神様は、開拓の守護神です。そのため、人吉球磨地方の開拓が安全に進むことを願ったのではないかと考えられています。その後、相良家初代当主・長頼が人吉庄の地頭となると、相良氏の崇敬を受け、地域の人々にとってより身近な存在になり、現在でも“青井さん”と親しまれている人吉球磨を代表する神社になりました。
毎年10月3〜11日に行う「おくんち祭」は、平安時代から続く人吉球磨地方最大の祭りです。国指定重要無形民俗文化財になっている球磨神楽や2000人以上が人吉市内を練り歩く神幸行列があります。行列中の獅子面に頭を噛まれると無病息災のご利益があると伝わっています。
2008年に熊本県で初めて国宝に指定された本殿・廊・幣殿・拝殿・楼門は、20代・相良長毎の命令で1609~1613年にかけて建てられたものです。選定の理由は、慶長期(1596〜1615年)に一連で造営された社殿群であり、統一された意匠を継承しながら、桃山時代の華やかな装飾性も取り入れられ、近世球磨地方における社寺造営の規範となっていることが評価されました。茅葺きの神社建築が国宝に指定されたのは、全国初です。
大きな急勾配の茅葺き屋根、黒漆塗りと赤漆を両方取り入れた技法、華麗な装飾など、見所がたくさんある神社です。2階造りの「楼門」は、高さ12mと大きく、禅宗様式と桃山様式が調和し、上層軒先の四隅にはめ込まれた陰陽一対の鬼面は人吉様式と呼ばれ、全国に同じものはないと言われています。神様のための建物「本殿」には、金箔に描かれた社紋の“並び鷹の羽”、両側面の昇り龍・降り龍の彫刻。屋根のある「廊」には、“あ・うん”の形相をした一対の龍の彫刻。本殿と拝殿をつなぐ「幣殿」には、花鳥風月や植物をデザインした彫刻や錺金具が残っています。
文化財の概要
住 所
〒868-0005 熊本県人吉市上青井町118
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日本遺産
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