球磨郡山江村
本殿 / 拝殿及び神供所
国指定重要文化財(建造物)
山江村にある「山田大王神社」は、相良長頼(初代・人吉領主)によって滅ぼされた、中世の豪族で球磨郷永吉庄山田村の地頭・平河二郎藤高の怨霊を鎮めるために建てられた神社です。かつて平河氏が治めていた球磨川より北の土地に、「山田大王神社」をはじめとした4つの大王神社は建てられました。創建の時期は不明。棟札から1299〜1301年の間に創建されたと推測されます。 その後、本殿は1546年、拝殿1580年に修繕・修復され、1761年には拝殿・神供所が新しく造り直されました。毎年11月には五穀豊穣を祈願する例大祭が行われています。
鎌倉・室町時代の神社建築が、たいへん綺麗な状態で残っているのは南九州では希少なことです。さらに、建物の景観が整っている点も価値が高く、国指定重要文化財に指定されました。特に、三間社流造・板葺屋根の本殿には、朱色が美しく、「丹土塗り」という手法が用いられています。これは、太宰府より南の地域では見られないものです。 また、本殿正面のタスキは、平河氏の怨霊を封じ込めるためとされています。「覆屋」は奥行6.3メートル、間口6.2メートル、屋根が三角形になった切妻造。「拝殿」は奥行9.7メートル、間口4.9メートル、一重、4方向に屋根が傾斜する寄棟造。どちらも茅葺屋根です。
本殿の真後ろに立つ「一結諸衆」と刻まれた石塔も見所で、これは平穏な南北朝時代のものだと言われています。
文化財の概要
住 所
〒868-0092 熊本県球磨郡山江村山田甲1514
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