球磨郡湯前町
明導寺阿弥陀堂 / 木造阿弥陀如来及両脇侍像(阿弥陀堂安置)
明導寺九重石塔(城泉寺九重石塔) / 明導寺七重石塔(城泉寺七重石塔)
国指定重要文化財
球磨盆地の東端・湯前町に「浄心寺(城泉寺)」はあります。鎌倉時代の初期(1222年ごろ)に 作られたと考えられますが、正確な記録はなく、浄心が作った と書かれた石塔と阿弥陀如来像が残るのみ。ただし、この「浄心」が誰なのかは、今でも分かっていません。その後、廃絶と再興を繰り返しながらも江戸時代まで住職がいましたが、1868年に廃寺となりました。1915年には同町の「明導寺」の所有 となり、町全体で守りながら現代に受け継がれています。
重要文化財に指定されているのは、「明導寺阿弥陀堂」「木造阿弥陀如来及両脇侍像」「九重石塔」「七重石塔」です。「阿弥陀堂」は、三間堂の基本形と言われ、熊本県内の最古の木造建築です 。間口・奥行・約7.33m、高さ約12m。寄棟造り・茅葺で柱はすべて円柱になっています。建物内は、阿弥陀如来三尊像を安 置する須弥壇の四方にツガやモミ材の柱を立て、壁を設けています。
「木造阿弥陀如来及両脇侍像 」は、阿弥陀如来と両側に建つ脇侍(観音菩薩像・勢至菩薩像 )の3体のことをいいます。阿弥陀如来像は、ふくよかで張りのある顔立ち。ヒノキ材・寄木造り・金泥塗り・漆箔です。脇侍は、本尊側の足をやや浮かし、腰を外側にひねり、内側の手を軽く上げたポーズ。ヒノキ材・割矧造り・金泥塗り・漆箔です。華やかで美しい三尊像は、「浄心」が極楽 往生や滅罪成仏を願って造られた像と言われています。 さらに、ふたつの石塔は、「九重」が総高4.28m、「七重」が総高3.86mあり、軸と笠を別々に作って組み合わせた間層式層塔。各層の四面には阿弥陀仏が彫られていて、木造塔 の様な雰囲気がある石塔です。大正時代以降「城泉寺」と呼ばれるようになり地元ではその名で親しまれています。
文化財の概要
住 所
〒868-0615 熊本県球磨郡湯前町瀬戸口5617
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